被保険者の方が対象家族を介護するために介護休業を取得した場合、一定の要件を満たすと介護休業給付金の支給を受けることができます。
支給を受けるためには所定の手続が必要となりますので、以下の内容を元に、公共職業安定所(ハローワーク)で手続を行ってください。
介護休業給付金の概要
支給対象者
家族を介護するための休業(下記(2)を満たすものに限る。)をした雇用保険の被保険者の方で、
介護休業開始日前2年間に (※1)、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月 (※2) が12か月以上ある方が支給対象となります。
なお、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月ない場合、完全月で賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として算定します。
※1 介護休業開始日前2年間に疾病、負傷等の理由により引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった方については、
これらの理由により賃金の支払いを受けることができなかった日数をこの期間に加えた日数(最大4年)となります。
※2 過去に基本手当の受給資格決定を受けたことがある方については、その決定を受けた後のものに限る。
● なお、介護休業を開始する時点で、介護休業終了後に離職することが予定されている方は、支給の対象となりません。
● 介護休業を開始した被保険者が期間雇用者(期間を定めて雇用される者)である場合は、
上記のほか、介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にはあっては、
更新後のもの)が満了することが明らかでないことが必要です。
支給対象となる介護休業
介護休業給付金は、以下の①及び②を満たす介護休業について、支給対象となる同じ家族について93日を限度に3回までに限り支給されます。
① 負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある家族(次のいずれかに限る)を、
介護するための休業であること。
被保険者の「配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む)」「父母(養父母を含む)」「子(養子を含む)」「配偶者の父母(養父母を含む)」
「祖父母」「兄弟姉妹」「孫」
② 被保険者が、その期間の初日及び末日とする日を明らかにして事業主に申し出を行い、これによって被保険者が実際に取得した休業であること。
なお、介護休業は、産前・産後休業中に開始することはできず、介護休業の期間中に他の家族に対する介護休業、産前・産後休業、育児休業が開始された場合、それらの新たな休業の開始日の前日をもって当初の介護休業は終了し、その日以降の分は介護休業給付金の支給対象となりませんのでご留意ください。
給付の内容
⭐️ 介護休業給付金は、一回の介護休業につき、毎回、介護休業開始日から起算した1か月ごとの期間(その1か月の間に介護休業終了日を含む場合は
その介護休業終了日までの期間。)の支給額を計算し、支給します。
⭐️ 上記の各期間を「支給単位期間」といいます。
⭐️ 介護休業を分割して取得される場合は、分割して支給することになります。
⭐️ 介護休業給付金の対象となる一回の介護休業期間は最長3か月ですので、介護休業給付金の支給対象は、一回につき、最大3支給単位期間ということになります。
⭐️ 一つの支給単位期間中に、就業していると認められる日(全日休業している日(日曜日や祝日など、会社の休日となっている日も含みます。)以外の日)が
10日以下でなければ、その支給単位期間については支給対象となりません。
介護休業終了日の属する1か月未満の支給単位期間については、就業していると認められる日が10日以下であるとともに、全日休業している日が
1日以上あることが必要です。
⭐️ 支給単位期間の途中で離職した場合、当該支給単位期間は支給を受けることができません。
支給額
介護休業給付金の各支給対象期間の支給額は、以下の通りです。
原則として、休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
(賃 金 月 額)
① 「支給日数」とは、
a) b以外の支給対象期間については30日
b)休業終了日の属する支給対象期間については、当該支給対象期間の日数です。
② 「賃金日額」は、事業主の提出する「休業開始時賃金月額証明書(票)」によって、原則、介護休業開始前6か月間の賃金を180で除した額であり、
これに上記①の支給日数の30を乗じることによって算定した「賃金月額」が532,200円を超える場合は、「賃金月額」は532,200円となります。
(これに伴い、1支給対象期間あたりの介護休業給付金の上限額は356,574円となります。)
また、この賃金月額が90,420円を下回る場合は90,420円となります。(上記の金額は令和8年7月31日までの額です。)
③ 支給対象期間中に賃金支払日があり、そこで支払われた賃金(ただし介護休業の期間を対象とする賃金に限る。)の額と、「賃金日額×支給日数
(上記①又は②)」の67%相当額の合計額が、「賃金月額」の80%を超えるときは、当該超えた額が減額されて支給されます。
その結果、次のようになります。

※同じ対象家族について二回の介護休業給付金の支給を受ける例
① 令和7年6月1日から7月31日まで取得した介護休業について、支給日数61日の介護休業給付金を受給。
・支給対象期間その1令和7年6月1日~6月30日【支給日数30日】((4)①a参照)
・支給対象期間その2令和7年7月1日~7月31日(休業終了日7/31)【支給日数31日】((4)①b参照)
② さらに、同じ対象家族について取得した2回目以降の介護休業について、支給日数32日まで(①と通算して支給日数93日まで)介護休業給付金の受給が可能。
令和7年9月1日から10月2日まで介護休業を取得。
・支給対象期間その1令和7年9月1日~9月30日【支給日数30日】((4)①a参照)
・支給対象期間その2令和7年10月1日~10月2日(休業終了日10/2)【支給日数 2 日】((4)①b参照)

介護休業給付金の支給申請関係手続
介護休業給付金の支給を受けるためには、「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」及び「介護休業給付金支給申請書」を、その内容を確認できる添付書類とともに提出期限までにハローワークに提出することが必要です。
(1)「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」の提出について

○ 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書の記載のリーフレットはハローワークの窓口にあります。
(2)「介護休業給付支給申請書」の提出について

○ 介護休業給付金支給申請書は、被保険者及び介護対象家族の方のマイナンバーを記載して提出してください。
(3)支給決定の通知
支給申請の結果は、支給額等の記載された「支給決定通知書」又は「不支給決定通知書」により通知されます。
(4)支給方法
支給決定された場合の介護休業給付金は、支給申請中の払渡金融機関指定届により届け出られた被保険者本人の金融機関の口座に、支給決定後約1週間後に振り込まれます。
参考資料
その他詳細や、「介護休業給付金支給申請記載例」等の詳細は、厚生労働省のホームページをご確認ください。

